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化学物質過敏症とは
化学物質過敏症とは? (Chemical sensitivity:CS)
化学物質過敏症は、通常の人では反応しない微量の化学物質に接触することで、頭痛、めまい、倦怠感、粘膜刺激など多岐にわたる症状が現れる疾患です。大量の化学物質への曝露や、長期間の微量曝露が蓄積し、許容量を超えると発症すると考えられています。
原因物質は、柔軟剤、洗剤、化粧品、農薬、建材など身近な日用品が多く、近年は香料による被害(香害)も注目されています。発症メカニズムは未解明な点が多いですが、中枢神経の過敏化などが指摘されています。確立された特効薬はなく、原因物質の回避が基本対策となります。
当初は1種類の化学物質に反応していたのが、途中から多種類の化学物質に反応するように変化するケースがあります。それを多種類化学物質過敏症(Multiple chemical sensitivity:MCS)といわれます
化学物質過敏症の症状
1,部位・系別の身体症状
| 分類 | 具体的な症状 |
| 全身・神経系 | 強い倦怠感、脱力感、発汗異常、手足の冷え、筋肉痛、関節痛 |
| 呼吸器・粘膜 | 息苦しさ、咳、のどの痛み、粘膜刺激症状 |
| 循環器・消化器 | 動悸、吐き気、下痢、便秘 |
| 皮膚・感覚器 | 皮膚炎、目の痛み、視力低下、頭痛、めまい |
2,精神・神経系症状(ブレイン・フォグ等)
| 分類 | 具体的な症状 |
| 情緒・睡眠 | 不眠、不安、うつ状態、イライラ、興奮 |
| 認知機能 | 思考力低下、集中力低下、記憶力低下(ブレイン・フォグ)、見当識障害 |
3,感覚の過敏性と重症度の目安
| 項目 | 内容 |
| 感覚の過敏性 | 嗅覚過敏(においに極端に敏感)、光過敏、音過敏 |
| 重症度の幅 | 【軽度】 風邪や更年期障害と区別がつきにくい。 【重症】 動けないほどの痛み・脱力感、日常生活に介助が必要、終日就床。 |
化学物質過敏症の診断基準
1. 化学物質過敏症の主要な診断基準(比較)
国際基準と日本国内で用いられる基準の要点を整理しました。
| 項目 | 1999年の合意事項(国際基準) | 日本国内の研究班基準(石川氏ら) |
| 定義の考え方 | 6つの性質(条件)をすべて満たすこと | 主症状・副症状・検査所見の組み合わせ |
| 主な要件 | ・慢性的である ・再現性がある ・微量で反応する ・原因除去で改善する ・多種類の物質に反応する ・多臓器にわたる症状 | ・主症状2+副症状4 または ・主症状1+副症状6+検査所見2 |
| 大前提 | 他の器質的疾患や精神疾患の除外 | 他の疾患の除外および客観的検査 |
2. 日本の診断基準における具体的症状・所見
診断の目安となる「A.主症状」「B.副症状」「C.検査所見」の内訳です。
| 分類 | 具体的な項目(例) |
| A. 主症状 | 頭痛(持続・反復)、筋肉痛・不快感、持続する倦怠感・疲労感、関節痛 |
| B. 副症状 | 咽頭痛、微熱、下痢・便秘、まぶしさ(羞明)、集中力低下、健忘、不眠、精神不安定、皮膚のかゆみ、月経過多など |
| C. 検査所見 | 瞳孔異常: 副交感神経刺激型、対光反応の不安定性 視覚機能: コントラスト感度低下 眼球運動: 追従運動の中枢性障害 脳血流: SPECT検査による大脳皮質の血流低下 誘発試験: クリーンルームでの負荷試験 |
3. 診断を補助するツールと審査のポイント
客観的な数値を補うための問診票や、診断時の留意点です。
| 項目 | 内容と役割 |
| QEESI (問診票) | 物質への反応、重症度、生活への支障度を数値化するスクリーニングツール。 |
| 一般検査の役割 | 血液検査やレントゲンで「異常なし」であることが、他疾患の除外(消去法による診断)に重要。 |
| 詳細な問診 | 「いつ・どこで・何に接して」発症したかというエピソードが診断の決め手となる。 |
化学物質過敏症は、血液検査などの数値に現れにくいため、「詳細な問診(QEESI等)」と「特殊な神経学的検査(SPECTや瞳孔計等)」を組み合わせて総合的に判断されるようです。
室内空気化学物質の厚生労働省が定める室内濃度指針値
| 物質名 | 室内濃度指針値 | 主な使用場所・発生源等 | |
| ホルムアルデヒド | 100 μg/m³ /0.08ppm | 合板、接着剤、防かび剤 | |
| トルエン | 260 μg/m³ /0.07ppm | シンナー、塗料、接着剤、ラッカー | |
| キシレン | 200 μg/m³ /0.05ppm | 塗料、芳香剤、接着剤、油性ペイント | |
| パラジクロロベンゼン | 240 μg/m³ /0.04ppm | 防虫剤、防臭剤 | |
| エチルベンゼン | 3800 μg/m³ /0.88ppm | 塗料、接着剤 | |
| スチレン | 220 μg/m³ /0.05ppm | 断熱材、畳、接着剤、発泡スチロール | |
| クロルピリホス (小児の場合) | 1 μg/m³ 0.1 μg/m³ /0.07ppb0.007ppb | 殺虫剤、防虫剤、防蟻剤 | |
| フタル酸ジ-n-ブチル | 17 μg/m³ /1.5ppb | プラスチック可塑剤、塗料、顔料 | |
| テトラデカン | 330 μg/m³ /0.04ppm | 灯油、塗料 | |
| フタル酸ジ-2-エチルヘキシル | 100 μg/m³ /6.3ppb | 可塑剤、壁紙、床材 | |
| ダイアジノン | 0.29 μg/m³ /0.02ppb | 殺虫剤 | |
| アセトアルデヒド | 48 μg/m³ /0.03ppm | 接着剤、防腐剤、写真現像用 | |
| フェノブカルブ | 33 μg/m³ /3.8ppb | 殺虫剤、防蟻剤 | |
| 総揮発性有機化合物(TVOC) | 暫定目標値 400 μg/m³ |
化学物質過敏症の障害認定基準
障害等級と認定基準一覧
| 等級 | 状態の目安 | 一般状態区分 | 認定事例のイメージ |
| 1級 | 日常生活が不能。身のまわりのこともできず、常に介助が必要。終日就床し、活動範囲がベッド周辺。 | オ | 化学物質により動けなくなるほどの筋肉痛・呼吸困難が生じ、全介助が必要な状態。 |
| 2級 | 日常生活が著しい制限を受ける。家庭内の軽い活動はできるが、労働で収入を得ることが困難。活動範囲が家屋内に限られる。 | エ または ウ | 頭痛・めまいが容易に誘発され、就労不可。日中の50%以上を就床して過ごす状態。 |
| 3級 | 労働が制限を受ける。日常生活は何とかできるが、労働に著しい制限がある、または制限が必要な状態。 | ウ または イ | 日常の臭気で症状が出現し、週に数日は自宅安静が必要で、フルタイム等の労働が困難な状態。 |
一般状態区分表
| 区分 | 一 般 状 態 |
| ア:障害等級に不該当 | 無症状で社会活動ができ、制限を受けることなく、発病前と同等にふるまえるもの |
| イ:障害等級3級 | 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの 例えば、軽い家事、事務など |
| ウ:障害等級2級又は3級 | 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の50%以上は起居しているもの |
| エ:障害等級2級 | 身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの |
| オ:障害等級1級 | 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの |
申請書類(照会様式)の主要項目
| 項目 | 内容・詳細 |
| 臨床経過と症状 | 症状の再現性、微量反応、多種類への反応、除去による改善、多臓器症状の有無。 |
| 検査成績 | 瞳孔反応、眼球運動、脳循環検査、免疫系検査などの異常。 |
| 化学物質暴露反応 | 排気ガス、タバコ、芳香剤などに対する反応(0〜10段階評価)。 |
| PS値(CDC指標) | PS8: しばしば介助が必要、日中の50%以上就床。 PS9: 常に介助が必要、終日就床(1級相当)。 |
審査における重要評価要素
| カテゴリ | 重点的に記述すべき内容 |
| 基本要素 | 全身状態、栄養状態、年齢、予後、これまでの経過。 |
| 具体的支障 | 食事、排泄、入浴、外出の可否などの具体的なADL(日常生活動作)。 |
| 日常生活の困難 | 公共交通機関の利用不可、買い物や家事の不能、寝込んでいる時間など。 |
| 主治医への伝達 | 数値に出にくい疾患のため、上記「具体的な支障」を正確に診断書に反映させること。 |
化学物質過敏症に関する健康相談:北海道実施
道立保健所と北海道衛生研究所では、化学物質過敏症のみながらず、シックハウス症候群に関しても「健康相談」や「自宅の空気中化学物質の検査」を実施しています。但し、検査は有料です。
《問合せ》は
●「電話:080-3268-4215 」 又は 「こちらのフォーム(メール)」でお申込み下さい。
社会保険労務士法人ファウンダー / 札幌障害年金相談センター
受付時間 平日 9:00-20:00(土日祝も対応可)
連絡先 ℡:080-3268-4215 / ℡:011ー748-9885
所在地〒007-0849 北海道札幌市東区北49条東13丁目1番10号

化学物質過敏症の障害年金の請求事例
請求事例1:化学物質過敏症の障害年金申請|札幌40歳が2級認定で年109万円受給!必須の手続きを専門社労士が完全サポート解説
化学物質過敏症の障害年金申請には、普段の書類一式の他に専用の照会様式が必須です!札幌40歳の事例で2級認定・年109万円受給に成功。化学物質過敏症の申請には事細かい聞取りが必須せです!
請求事例2:化学物質過敏症で障害年金2級認定|年78万円受給した札幌市Aさんの実例と申請ポイント
【受給成功事例】化学物質過敏症で障害基礎年金2級・年78万円を受給した札幌市在住Aさんの実例を紹介。白髪染めをきっかけに発症し家電や信号機にも反応、一日の半分を横になって過ごす重度症状から受給認定へ。
請求事例3:化学物質過敏症で障害年金は受給できる?2級認定で年163万円受給の成功事例
職場の嫌がらせで発症した化学物質過敏症。診断も受けられず退職したAさんが障害厚生年金2級、年163万円の受給に成功した実例を紹介。診断困難なケースでも認定される申請方法、専門家サポートの重要性を解説。化学物質過敏症で苦しむ方へ希望をお届けする実際の成功事例です。
請求事例4:【札幌実例】化学物質過敏症の障害年金|障害等級2級・年109万円受給成功
札幌で化学物質過敏症の障害年金申請をお考えの方へ。40歳女性が2級認定・年109万円受給した成功事例。専用照会様式など特殊な手続きも、経験豊富な社労士がサポート
《関連記事:障害年金》
障害年金は、傷病や障害により労働や生活に支障をきたす方への支援制度で、老齢年金と同じ仕組みで運営されています。遠慮せず申請が推奨されます。また、所得保障には傷病手当金や生活保護、失業保険など複数の制度があり、それぞれ条件や手続きが異なります。特に傷病手当金は迅速な支給が特徴で、障害年金の受給までのつなぎ役となります。ただし、各制度は支給調整が行われ、重複支給は避けられます。申請時の注意点やサポートの必要性も重要です。
障害年金の受給金額は、利用する年金制度と障害等級によって異なります。受給金額を確認するには、自身が利用できる制度と障害等級を把握する必要があります。障害等級は1級が最重度で、日常生活で他人の介助が必要な状態、2級は日常生活が著しく制限される状態、3級は労働に制限がある状態を指します。障害基礎年金は定額です。障害厚生年金は報酬比例で計算され、配偶者加給年金などが加算される場合もあります。申請手続きや認定基準の確認は重要です。
障害年金の請求には、以下の4つの書類が主に必要です。
①診断書: 障害内容に応じた8種類があり、詳細な治療経過や生活状況を記載。申請成功の鍵となるため、主治医と協力して作成します。
②病歴・就労状況等申立書: 発病から現在までの病状や生活状況を具体的に記載する重要書類。診断書との整合性が求められます。
③受診状況等証明書: 初診時の医療機関が診断書作成機関と異なる場合に必要。取得困難な場合は理由書を提出します。
④年金請求書: 基礎年金番号やマイナンバーを用いて提出。申請内容に応じて配偶者情報などを記載します。
これらを整え、慎重に申請を進めましょう。
障害年金は、老齢年金と同じ公的年金制度の一部で、障害を負った場合に支給される権利です。受給には「初診日」の特定、保険料納付要件、認定日以降の障害状態の3条件が必要です。障害年金には基礎年金、厚生年金、共済年金の3種類があり、障害等級や加入制度によって支給額が異なります。申請には診断書や病歴申立書などの書類が必須で、認定基準に基づいた正確な作成が求められます。初診日や請求方法の選択も重要で、専門家の支援が推奨されます。
札幌障害年金相談センターでは、正確な障害年金申請を目指し、診断書と病歴・就労状況等申立書の作成を支援しています。診断書は主治医が作成しますが、短い診察時間や患者の生活状況の不十分な把握が問題となることがあります。一方、申立書では感情的な記述や出来事の羅列が障害認定基準に適合しないことが課題です。これらの問題を解決するため、障害認定基準を理解し、必要に応じて書類内容を主治医と相談しながら適切に修正する努力が重要です。
障害年金は、肢体障害や視覚障害など外見で分かるものだけでなく、多様な傷病が対象です。対象疾患には、白内障や緑内障などの視覚障害、感音性難聴などの聴覚障害、脳卒中や脳梗塞などの脳疾患、統合失調症や発達障害などの精神疾患、心筋梗塞や高血圧症、腎不全や糖尿病性合併症などが含まれます。ただし、症状や傷病名によって対象外となる場合もあります。判断が難しい場合は札幌障害年金相談センターにお気軽にご相談下さい。
障害年金の申請には診断書が必要ですが、実際の症状より軽く記載されることがあり、申請者から不満の声が寄せられます。その原因として、医師が日常生活の実態を把握できない、申請者が正確に伝えられない、または医師が申請者の立場を考慮していないことが挙げられます。この結果、年金額が減額されたり受給できない場合があります。当センターでは、こうした問題を防ぐため、札幌障害年金相談センターは適切な申請を支援しています。
障害年金は、日本の2階建て年金制度に基づき、障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金の3種類に分かれます。障害基礎年金は全員が対象で、1級と2級の等級があり、国民年金加入者に支給されます。厚生年金加入者は障害厚生年金を受け取る権利があり、1~3級の等級が設定されています。共済組合加入者には障害共済年金が適用され、職域年金部分が追加されるのが特徴です。初診日の時点での年金加入状況により、受給対象や申請先が異なります。
障害年金を受給するには、障害が行政の定める認定基準に適合していることを証明する必要があります。そのため、診断書は最も重要な書類であり、適切な内容が記載されるよう担当医と十分に話し合うことが大切です。特に初診日の特定が困難な場合や過去の初診日で手続きが複雑になるケースでは、専門家に相談することで解決の可能性が高まります。当事務所では診断書のチェックや医師への依頼時のアドバイスを提供しています。
障害年金を受給するには、以下の3つの要件を満たす必要があります。
- 初診日要件: 障害の原因となる病気やケガの初診日が年金加入期間内であること。初診日が特定できない場合は受給が難しくなるため重要です。
- 保険料納付要件: 初診日の前日までの期間で、3分の2以上が保険料納付または免除期間であること。未納が多いと受給資格を失うため、学生時代の免除申請が推奨されます。
- 障害認定日要件: 初診日から1年6か月後または症状が固定した時点で一定の障害状態であることが必要。遅れた請求でも最大5年遡及可能です。
障害年金の受給可否は、申請書が提出されると行政が「加入要件」「保険料納付要件」「障害状態要件」を確認することで判断されます。年金事務所や市区町村がまず資格を審査し、その後、日本年金機構の障害年金センターで認定医が障害等級を基準に審査します。審査は書類内容を基に客観的に行われ、3か月程度かかるのが一般的です。支給が決定すると通知が届き、住所や振込先変更時は手続きが必要です。初回支払日は決定日によって異なります。
障害年金の請求手続きは、以下の流れで進められます。まず、電話やメールで相談予約を行い、面談で病気や生活状況を詳しくヒアリングします。その後、初診日や保険料納付要件を確認し、診断書や病歴・就労状況等申立書など必要書類を作成。診断書の記載内容は医師と確認し、必要に応じて修正依頼を行います。完成した書類を年金事務所に提出し、審査には約3か月かかります。支給決定後、初回振込は40~50日後に行われます。
障害年金請求では、初診日時点の年金加入状況が重要です。初診日に年金未加入の場合、請求はできません。また、加入していた年金制度により受給できる年金の種類が異なり、国民年金加入者は障害基礎年金(1級または2級対象)、厚生年金加入者は障害厚生年金(1~3級対象)を受給可能です。障害認定日請求では最大5年遡及可能ですが、事後重症請求では請求日以降の受給のみです。適切な手続きが受給額に影響するため、専門家への相談が推奨されます。
特別障害者手当は、20歳以上で重度の障害があり、日常生活に特別な介護が必要な在宅障害者に支給される手当で、月額26,260円(平成25年時点)です。施設入所や長期入院がなく、所得基準を満たすことが条件です。対象者は複数の重い障害を持つ人や、日常生活に大きな支障がある人が含まれます。申請には、障害者手帳の所持が必須で、書類を市区町村役場に提出します。受給後も現況届や診断書の再提出が必要です。
