私たち札幌障害年金相談センターに、札幌市在住のAさんから相談がありました。Aさんの息子さんは幼少期から心身の発育が遅れ気味で、高校1年で不登校になり、2年で中退されました。その後も引きこもりが続き、就職と退職を繰り返す状態でした。
お母さんはご心配され、県精神保健福祉センターに相談に通われましたが、この時点で息子さん本人は受診していませんでした。保険料納付期間も短く、初診日の要件も厳しい状況でした。
社労士は丁寧にAさんのお話を伺い、生い立ちの詳細な記録をお願いしました。すると重要な発見がありました。県精神保健福祉センターの相談診療券から、発症が20歳前だったことが証明できたのです。20歳前は保険料納付義務がないため、20歳前障害の事後重症として請求手続きを進めることができました。
ただ問題もありました。県精神保健福祉センターに通っていたのは本人ではなくお母さんだったのです。この点について、私たちは精神障害の特殊性を説明し、県精神保健福祉センターの初回相談日を初診日とすることで決着しました。
結果として、異例の速さで2級障害基礎年金が認められました。このように、一見難しく思える事例でも、専門的な知識と適切な申請方法で障害年金を受給できる可能性があります。私たちはこれからも誠心誠意、皆様のお力になれるよう努めてまいります。